E.大腸損傷分類
I型 非全層性損傷 Non‐transmural injury
a.漿膜・漿膜筋層損傷 Serosal or seromuscular tear
b.壁内血腫 Intramural hematoma
II型 全層性損傷 Transmural injury
a.穿孔 Perforation
b.破裂 Rupture
c.離断 Transection
III型 血行障害 Devascularization
a.全層性損傷を伴わないもの Without transmural injury
b.全層性損傷を伴うもの With transmural injury
部位分類:1. 部位は大腸癌取扱規約に準じて図のように記す.
Appendix:
1.・型または・b型において,損傷が後腹膜や腸間膜内とのみ交通する場合はep(extra‐peritoneal)を付記する.
2.直腸・肛門管損傷に合併する肛門括約筋損傷にはsp(sphincter)を付記する.
解説と記載方法:
1.直腸・肛門管損傷における粘膜の裂傷は・a,粘膜下血腫は・bとして扱う.
2.穿孔とは孔の長径がその部の大腸周径の3分の1未満(・a),破裂とは孔の長径がその部位の大腸周径の3分のl以上で腸管壁の連続性が保たれているもの(・b),離断とは腸管壁の連続性が完全に断たれているもの(・c)をいう.
3.・型とは血行障害により腸管に虚血または壊死をきたしたものをいう.
4.記載は,型(部位,appendix)の順に記す.鋭的損傷の場合は型分類の前に刺創S,射創GSを付記する.
例:・a(T);横行結腸に漿膜筋層裂傷を認める.
・a(S,ep);S状結腸に腸間膜内への小さな穿孔を認める.
・b(P,sp,ep);肛門管に半周の全層性損傷と肛門括約筋の損傷を認めるが,腹腔内とは交通しない.
GS・a(C),・a(C,ep);回盲部に2ケ所穿孔があり,後壁は腹腔と交通しない,
5.損傷の範囲が2部位以上に及ぶときは,損傷範囲の広いほうから(TD),(RbP)のように記載する.
6.複数の損傷が存在する場合には,高度の損傷から(+)にて順次記載し,同等の場合は( , )にて併記する. 同一の記載となる損傷が複数認められる場合は(×)を用いて記載する.
例:・b(TD)+・a(A),・a(D)+Ib(S)×3;横行結腸から一部下行結腸にかけ全層性損傷を伴う血行障害があり,上行結腸,下行結腸に穿孔,S状結腸に3ケ所壁内血腫を認める.
引用のお知らせ
本分類を引用する場合は、原典を
日本外傷学会消化管損傷分類委員会:日本外傷学会消化管損傷分類. 日外傷会誌 1999;13:172-176.
として下さい.